ここでは、SATRI回路の歴史を振り返って見たいと思います。
1989年:SATRI回路V1.0
入力は抵抗で、バイアスとV−I変換を兼ねた抵抗で、電圧を電流に変換していました。この回路は単純ですが、電圧変動がもろに入力されるという欠点を持っていました。つまり、今変調歪が起こるのです。これに対して、OC−CONをパスコンに使ったり、定電圧電源を組み込んだりしましたが、本質的な解決にはなりませんでした。最初の製品「MORPHEUS」やAMP−5510の初期バージョンに使われています。
1995年:SATRI回路V2.0
バイアス電流の設定を定電流ダイオードに変更、信号入力をカップリングコンデンサとV/I変換抵抗にしたV2.0を開発して、AMP−5510後期バージョンに搭載しました。
1998年:SATRI回路V3.0、SATRI−ICの完成BPM−7110T
混変調歪をさらに少なくするために電源の影響を受けない入力回路を開発しました。ディスクリート版は試作プリアンプやミキサーアンプに使用しました。この年に、ハイブリッド版のSATRIーICを開発して、AMP−5511,AMP−5512、AMP−5520,AMP−5530、AMP−5540、SCA−7510に搭載しました。AMP−5520,30,40には、出力段の歪を少なく出来るSuper−SATRI回路を搭載しました。
2000年:SATRI回路V4.1、SATRI−ICの改良BPM−7110TS、SATRI回路V1.2の開発
SATRI−ICのパターンを変更、同時にトランジスタをオーディオ用の低雑音トランジスタに変更しました。SCA−5511,PRE−5610、AMP−7511Mに新しいICを搭載し、SATRI回路V1.0の電源変動に弱いという欠点を改良したSATRI回路V1.2を搭載したAMP−5511MK2を発表しました。
2002年:SATRIV5.1、SATRI−IC V4.3 BPM−7110TH開発
SATRI−ICの欠点であったモールドの問題を解決するために、高精度樹脂を使ったSATRI−ICV4.3BPM−7110THを開発、レジン版と同時に基板をテフロンにしたテフロン版も開発しました。
2003年:SATRI回路V6.1,6,2、6,3開発
出力段のバイアス電流を高精度に安定させるSATRI回路V6の開発に着手し、V6.2を搭載したAMP−5511MK2を発売しました。ただ、バイアスが安定するまで時間が掛かるので、それを解決したV6.3の開発も行いました。
2004年:SATRI回路V6.4開発中
現在、より高精度に出力段のバイアスを安定させる事が可能なSATRI回路V6.4の開発中です。また、PNPとNPNのトランジスタの強制の違いによる特性の差で発生する歪を無くすために新しいカレントミラー回路を開発しました。この回路はPRE−5410,AMP−5530MK2に搭載されています。